hiroxxxの怪談「紙袋の女」
もう十数年前の夏の話。
仕事から帰ってきたらエントランスに刑事ドラマとかでよく見る黄色いテープがしてあって警官が立ってた。
「住人の方ですか?」って聞かれて結局通してもらったんだけどね。
どうも一階の住人が殺されて、その遺体が畳の下から発見されたらしい。
夏なんで死体が腐って、その異臭で住人が通報して発見されたそうな。
自分は住人とは全然面識なかったので、どんな人が住んでたのかも知らないんですが。
で、親に「そういえば一ヶ月くらい前からずっとなんか臭ってたよね?魚の腐った様な臭いが」って言うと、「臭いだしたのは最近よ」と言う。
あれ?でも、おかしいな、ずっと前から臭いが気になってたんだけどなーって思って。
その夜に夢をみた。
薄暗い廃墟の中で、黒いワンピース姿に茶色い紙袋を頭に被った顔の見えない女に追いかけられる夢。
追いつかれて、自分の首を締めようとしてるんだけど手が届かないみたいでギリギリのとこで必死に両手を伸ばしてくるっていう夢でした。
うなされて目が覚めた。
汗びっしょりで起き上がって、
ふと視界に何か違和感。
足下見るとさっきの夢で見た紙袋の女が立ってた。
うわ!と叫んで腰が抜けてしまって。
壁際に後退りしてたら、両手をバタバタさせながら凄い速さで目の前に迫ってきた。
首を締めようとしてたみたい。
目の前きた瞬間パッと消えて居なくなりました。
後日談じゃないけど、その事件後、その部屋の玄関ドア付近の壁一面に手形が沢山浮きでてき自分の知人の間では一時期ホラースポット化してました。